<country kko kko album one>
<絶版>
1998.3
Oh! Happy
クデエゲ ガヌン キル(君への道)
ノエゲ ナルル(君に僕を)
Funky Girl
スルップン ソンテク(哀しい選択)
チョルギュ(絶叫)
Man in Lover
ピョンセンドンアン(死ぬまでずっと)
サイコ
So Easy

 Country Kko Kkoを最初に“見た”のは、98年5月のある日、仁川のホテルでだった。itv(インチョン放送)で、ひとりの人物(歌手、ミュージシャンなど)が1時間、自由な独り語りで進めてゆく番組をやっていた。その日の主役はイー・ヒョンドで、彼が「今いちばん好きな歌」として「Oh! Happy」を挙げたのである。聴くだけでハッピーに、楽しくなれるこういう音楽が、今の世の中(=当時韓国が渦中にあった大不況時代)に必要なのだというようなことを言っていた。それから1〜2日の間で3回ほど、この曲のMVを見たと思う(追記:私は当時、韓国であまりTVを見ない方でした。野球場へ行くので、そんな暇はなかったので…)
 そして3日後、ソウルのあるレコードショップで“1枚CDを買ってあげる”と友人に言われ、迷わずCountry Kko Kkoを買ってくれ、と頼んだのだった。

 と、ここまで書いて思い出したが、不肖ワタクシ、僭越ながら98年の夏に出た「翻訳の世界」誌はじめ、このアルバムについては2,3の記事を書いているのである。ちゅうか、Country Kko Kkoについて複数の記事を商業誌に書いたのは、日本じゃ私だけかもしれない(とほほ)。というくらい、日本の音楽関係媒体は彼らに注目を寄せていない。それっていったいなんなのだ。なんだかんだいって、日本の韓国音楽関係を扱うマスコミは、音楽的意識が全然成熟していない。別にCountry Kko Kkoを取り上げないからではない。現地中高生と一部のプロモーターに迎合して、今韓国にはこうゆうものがあるとアイドルばかりを紹介することに、いったいなんの意味があるのだろう(追記:と当時は本気で思っていました。まだ「韓流」なんて言葉は日本に影も形も無かった頃の事です。今になって冷静に考えると、当時、韓国芸能を取り上げるのすら壁が高かったのに、彼等はカテゴリ的に扱いが難しくて無理。今=2010年なら…うーん、今でも難しいでしょうねw)

 さて、私の好きな曲はタイトル曲以外では「クデエゲ ガヌン キル」「ピョンセンドンアン」(このへん、ライブでやったので大変嬉しかったのだ)「Funky Girl」などである。最後にボーナストラックで入っている「Oh! Happy」は、リミックスでもなんでもなく、ただもう一度入っているだけだったりする。それにしても、純粋に音楽だけ取ってもこのアルバムは結構聴き応えがある。PDイー・サンミンが趣味に走っただけとも言えるが、ややヘヴィな印象すらある凝り方をしていて、2集以降とは一線を画す何かがここにはあるのだ。そして、タク・チェフン、シン・ジョンファン共に実に必死に取り組んでいるのがよく伝わってくるのである。

 バラエティ番組での彼らの姿しか馴染みのない向きにも是非一度聴いてもらいたいが、彼らを「若手お笑いコンビ」と大々的に書いてくれた、A新聞の記者と某音楽雑誌(追記:現存する雑誌ですがアジア関係ではありません)の関係者には、なにがなんでも絶対聴いてもらいたいものだ。どうせ聴いてないくせに、適当なこと書いてふざけてるんじゃないわよ。
(2000年記述・2008・2010年加筆訂正)

(追記:いやー、恥ずかしいくらい怒ってますねー。そのくらい扱いが良くなかったんですよねー。つーか、韓国でも実は大差ない扱いだったんですけどねー…)