<COUNTRY KKO KKO
   "WINTER TRAVERING">
<絶版>
2000.11
ヌンガットゥン クデ (雪のような君)
Oh, my Julia
チェニョム(諦念)(あきらめ)
ハヤン キョウル (白い冬)
イジェヌン (今は)
Tonight
ト キップン サラン (もっと深い愛)
Missing
OVERLAP
Happy Birthday

2000年11月、3.5集として発売された、企画盤。新曲と、日本を含む外国曲のカバーで成り立っている。それぞれの原曲は以下のとおり(クレジット参照)。

  (左=収録曲)  (右=原曲タイトル)

Oh, my Julia ジュリアに傷心(ハートブレイク) 
            (チェッカーズ)
チェニョム リバーサイドホテル (井上陽水)
イジェヌン When the Rain Begins to Fall
Tonight Young Turks (ロッド・スチュワート)
ト キップン サラン Knife

さらに、「ハヤン キョウル」は93年から94年にかけて爆発的にヒットした、Mr.2の同名曲カバーである。

 さて、この冬の時期にアルバムを出すことには実は大きな意味がある。韓国の音楽賞は、日本と同様年末に集中しているのだが、年の前半にヒットを出した歌手でも、この時点で活動中断中(レコーディング準備など)である場合、ノミネートされない可能性が大きいのだ。その代わり、11月頃にぽっとアルバムを出して瞬間的に売り上げが上がると、それだけでノミネートされる場合もある。Country Kko Kkoの場合、98年は1.5集を発表、「Happy Christmas」のヒットで各種人気賞を受け、99年には企画モノにたよらずとも10大歌手賞に選ばれた。2000年の活動を振り返ってみるに、「オー!ガニ」はそこそこヒットしたものの、後があまり続かず、99年ほどの印象の強さには及ばなかったように思われる(追記:販売実数はほぼ同じ)。そこで登場したのがこの盤、というのがファンであるこちらには感じられるのだ。
 このレコーディングは3集活動終盤、おそらく9月10月頃に行われているはずで、それはちょうどコンサートと重なっている。限られた時間、コンサートの合間の制作で大変だったことだろう。そのせいか、インスト部分の音がちょっと軽く薄く感じてしまう。ボーカルもやや生っぽくてこなれていないかな、という部分さえもある。それでもシン・ジョンファンのボーカルが今作では更に前にでてきており、“ふたりで歌うグループ”としての姿勢が感じられ、また曲調もいろいろと取りそろえてあり、ダンス曲メインの3集に疑問を感じた向きには、ようやくほっとできるだろう(追記:いや、それ自分のことですから)。とにかく、もっと時間をかけてじっくり練れば、さらにいいものになったと思う。

 個人的に「ハヤン キョウル」のアレンジは原曲よりも好きだが、途中のラップがありきたりの表現で残念。「ヌンガットゥン クデ」も好みの一曲だ。冬らしく、モノクロ写真をベースにしたジャケットは相変わらずかっこいい。デザイナーのユ・ミラ氏はWorld Music所属のデザイナーであるらしく、所属歌手のジャケを多く手がけているので、お名前をよく拝見する。それらのジャケは、どれも歌手の個性にあったデザインだが、Country Kko Kkoのデザインが一番すっきりして感じがいい。まあ、あくまでも私の趣味である。

(2000年記述・2008年加筆訂正)